ITエンジニア/デザイナ向けにオープンソースを毎日紹介

aegifはエンタープライズ向けオープンソース・ソフトウェアを用いたコンサルティング、導入サポートを行っています。例えばLiferay(エンタープライズ向けポータル)やAlfrescoを得意としており、さらに最近では自社でCmisSync、NemakiWareといったECM製品を開発しています。

※ aegif社はLiferayの公式パートナーであり国内のサポート業務を請け負っています。

国内企業においても自社でオープンソース・ソフトウェアを開発するところは増えていますが、それをエンタープライズ分野においてビジネスとして提供しているケースは多くないのではないでしょうか。今回、そういったビジネスユースでのオープンソース・ソフトウェア開発におけるメリット、デメリットをじっくりと伺ってきました。

ITコンサルタント ラウル・ニコラ氏

オープンソースはすでにエンタープライズ市場に十分認知されている

— 起業から現在までのオープンソースに対するビジネス環境の変化について

8年前の起業当時、オープンソースというのは商用ソフトウェアに相対するキーワードでした。しかし8年経った現在、オープンソースというのは既に市場に十分認知されており、オープンソースだからというネガティブイメージはなくなってきています。つまり顧客の選択肢として十分選ばれるようになっています。

オープンソースの普及とともにサブスクリプションモデルの説明も不要になってきました。8年前はソフトウェアと言えば初期に導入コストがかかって後は保守というイメージが強かったものの、現在ではサブスクリプションモデルの認知されているようになっています。

— 海外での動きはいかがでしょうか?

注)今回話を伺ったラウル・ニコラさんはCmisSyncのメイン開発者であり、フランスのオープンソース・ソフトウェア開発企業に勤めていた経験があります。

10年前でのフランスではオープンソースという単語をビジネスで前面に出すのは嫌がられる傾向がありました。しかし10年経った現在、フランスでは国としてオープンソース・ソフトウェア導入を率先して行っています。逆に商用ソフトウェアを導入するのに対して十分な理由が必要と言った状況になっています。

日本においても一部の自治体においてオープンソース・ソフトウェアの導入も行われていますが、まだまだごく一部でしかありません。とは言えヨーロッパで広がっているオープンソース・ソフトウェア導入の動きはアメリカに伝搬していますので、今後日本にも入ってくると考えられます。

オープンソースの提供は企業、個人にとってもメリットがある!

— 企業がオープンソース・ソフトウェアを出すメリットを教えてください

プロジェクトマネージャー 杉本琢磨氏

企業がオープンソース・ソフトウェアをリリースする際によくあるのが、メンテナンスを抱え込みたくないためというケースです。つまり一旦製品として販売したものの、その更新や管理コストが増えるのに伴ってオープンソース化するというものです。これは単にソースコードを公開しただけで、全く意義がありません

オープンソース・ソフトウェアをリリースというのはフィードバックを得られるメリットがあるからこそだと思います。何か製品を考えた時に、その思考、開発プロセスを含めてオープンソース化するのです。その結果、コミュニティからフィードバックが得られて通常の製品開発以上の速いスピードで開発が行われるようになります。

— 企業、個人双方にとってオープンソース・ソフトウェアが生み出すメリットとは?

なお企業が製品をオープンソース化するとエンジニアにとって大きなメリットがあると信じています。それはキャリアが企業によってロックインされなくなるのです。たとえエンジニアが社を去ったとしても、その実績はオープンソース・ソフトウェアとして世の中に公開され続けますし、エンジニアはその経験とソースコードをもとに別な仕事に活かせるかも知れません。そういった技術的な正しさがオープンソースにはあると信じています。

そして企業にとってのメリットとして、魅力的なオープンソース・ソフトウェアを開発している企業はエンジニアに対しても魅力になると考えています。そしてその魅力に気付けるエンジニアは感度の高い人たちであり、そういった人たちと一緒に仕事をしたいと思うエンジニアを惹き付けるようになります。

— 開発のスピードアップについて詳しく教えてください

国内ではオープンソース・ソフトウェアを使うというのは価格面ばかりに注目が集まっています。しかし海外においてはスピードが利点に挙げられています。つまりオープンソース・ソフトウェアであれば、他にも多く存在するオープンソース・ソフトウェアを積極的に導入できるのです。クローズドな製品の場合、ライセンスの問題もあって慎重になったり、同じようなものを自分たちで再開発する必要があります。オープンソース・ソフトウェアであればそのような心配はいりません。

IT市場はこれまでのビジネスと異なり国境や言語障壁が低く、いきなりグローバルな市場で競争しなければなりません。それだけに従来のビジネス以上に速いスピードでの機能追加や環境対応が求められます。そういった中では一つ一つの機能について自社内で仕様を考えて開発し、テストを行っているのでは他の企業に追いていかれてしまいます。オープンソースではプロセスがまったく違うため、世界中でいち早く公開までいたることができるのです。

— 逆にビジネス×オープンソースならではの苦労はありますか?

オープンソース・ソフトウェアであることの苦労は大きく分けて2つあります。1つはオープンソース=低価格と考えられることです。価格面を期待されることが多いようです。もう1つはサブスクリプションモデルと既存の調達モデルが合わないケースです。初年度一括という形に慣れている企業が多いため、年(または月)額モデルに対して稟議が通しづらいという問題があるようです。

変わった苦労としては、他の企業が自社ビジネスに合わせた機能追加を行った際に、オープンソース・ソフトウェアなのでそのコードを公開することがありますが、良いものであれば本体にも取り込んでいきます。その際、開発元の決め打ちになっている部分を取り除いたり、抽象化する必要が出てきます。これは自社だけでない開発だからこそといった点です。

オープンソース・ソフトウェアも新陳代謝する

— 自社でCmisSync/NemakiWareを開発した経緯を教えてください

エンタープライズコンテンツ管理(ECM)というのは簡単にいえばファイル+メタデータを管理するシステムです。昔から各種ソフトウェアが存在します。そのような中でaegifでは新しくNemakiWareというオープンソース・ソフトウェアを開発し始めています。なぜこのようなことがあるのかと言うと、既存のオープンソース・ソフトウェアは十分に高度化、高機能化する中でそこまでの機能はいらないという声が出てきます。さらに技術は進化しており、例えばこれまでのECMはRDBMSを基盤としてきましたが、実際のところRDBMSである技術的根拠というのは強くありません。

そうした中でここ数年でNoSQLが登場し、安定化してきています。そこでNemakiWareではシンプルに使えるECMとしてNoSQLの一つであるCouchDBを使って開発されています。もちろんECMというのは既存のものからすぐに乗り換えるという代物ではありませんが、案件の規模や求められる機能によって選択肢を持てるのは大きな利点と言えます。

CTO 石井 昭紀氏

— オープンソースと有償との切り分けをどう定義したらいいでしょう?

2つのやり方を行っています。まず一つはサブスクリプションです。つまり有償サポートやトレーニングと言った形で月額料金をいただくモデルです。もう一つは個別企業向けの機能開発です。

CmisSyncではCMISに準拠した機能だけを提供しています。そして有償版としてサポート、独自追加機能を提供しています。広く汎用的な機能はオープンソースとして、それ以上の個別要件は有償という形に切り分けています。

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aegifは各企業の課題に合わせたコンサルティングサービスを提供しています。LiferayやPantahoをはじめとしたエンタープライズクラスのオープンソース・ソフトウェア導入に関するコンサルティングをはじめ、そのメリットを最大限得られるシステム基盤、組織作りをサポートしています。

またCMIS互換のファイル同期クライアントCmisSyncやNoSQLを用いたECMサーバであるNemakiWareといった自社オープンソース・ソフトウェアの開発にも力を入れています。どちらもビジネスニーズに合わせたサポート、サブスクリプションモデルを用意していますので、ぜひ評価、検討してください。

CmisSync/NemakiWareを連携。Dropboxのように、さらにECMとして使えます。
CmisSync/NemakiWareを連携。Dropboxのように、さらにECMとして使えます。

aegif - Mind Share Leader Generating New Paradigms

次は震災とオープンソースです。2011年では避けて通れないテーマですが、オープンソース界隈が奮起した年でもあります!


10周年記念特集!「オープンソース×10年」

 

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